校長挨拶  校長挨拶の動画

 

 明晴学園校長に就任いたしました、小野広祐です。

 明晴学園では、日本手話を第一言語、書記日本語(読み書き)を第二言語とするバイリンガルろう教育を実践しています。バイリンガルろう教育は、学習だけでなくろう者としてのアイデンティティをしっかりと育むことができます。
子どもたちは皆、ろう者であり、私もまた同じろう者として、お互いに分かり合える存在です。日本手話は、多くのことを知り、考え、理解し、興味を広げ、深い学びにつながる確かな言語です。この経験と学びが、社会に出たとき遭遇するであろう数々の壁に立ち向かう力になることを、私たちろう者は身をもって知っています。そうした力の源となるのがバイリンガルろう教育なのです。

 早いもので3年後に創立20周年を迎えます。明晴学園の前身であるフリースクール「龍の子学園」からの経験や学びを礎に、本校の理念を受け継いで、さらに発展させていきたいと考えています。これからも、児童生徒一人ひとりが安心して学び、自分の可能性を広げられるよう、教職員一同で全力を尽くしてまいります。

 これからも、明晴学園を温かく見守り、応援していただければ幸いです。

令和7年4月1日

明晴学園 校長 小野  広祐

 【校長プロフィール】

1979年生まれ。東京都立杉並ろう学校幼稚部~中学部、東京都立大田ろう学校高等部、和光大学人間関係学部人間関係学科卒業。在学中から、さまざまなろう者との出会いで自分たちの受けてきた教育に疑問を持ち、ろう教育の道へ。1999年龍の子学園創設時から活動。8年にも及ぶ活動の結果、「構造改革特区」の制度を利用し、2008年に東京都品川区八潮で学校法人明晴学園として開校。特定非営利活動法人バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センター(BBED)理事。NHK手話ニュースキャスター。『ぼくたちの言葉を奪わないで!』(2003年、明石書店、第3章執筆)、『マイノリティの社会参加 - 障害者と多様なリテラシー』(2014年、くろしお出版、第1部第3章執筆)、『日本手話へのパスポート』(2023年、小学館、共著)。