2020年9月の記事一覧

楽しい防災教室

 

幼稚部さんの防災教室の様子です。

テーマは、「地震が起きたらどうなるの?その時どうしたらいいの?」

 

まずは、地震が起きたらどうなるの?

地震で家具が倒れて、床にものが散乱し、

電気もつかない真っ暗な部屋のなかを実際に移動して、

/地震/言う/(これが地震だ!)を体感してもらいます。

いつもと違う幼稚部の教室に、子どもたちは大興奮。

小さい子の手を握って暗い部屋を進むのは、ちょっとした冒険です。

 

「みんな、中はどうだった?いつもとおんなじだった?」と、先生が問いかけると、

「ちがった!床がでこぼこしてた!」「机が倒れてた!」「ブロックもいっぱい落ちてたよ!」

次から次へと子どもたちが答えます。

そこですかさず先生がたずねます。「みんな、お家におもちゃはある?」

「あるある!」「あるよ!」

「ねえ、そのおもちゃ…遊んだあとにちゃんとお片付けしてる?」

「してる!」「お片付けしてる!」と、多くの子が言うなか、

「…ううん、その辺に出しっぱなしにしてる…。」

嘘をつけず、正直に答える様子も微笑ましいです。

最近、お片づけが十分にできていないことが多かったので、

防災を学びつつ、日常生活を見直すことも先生たちの狙いです。

 

地震が起きたらどうなるの?を体感したあとは、

じゃあどうすればいいんだろう?を学びます。

「さっき、床に落ちていたものを踏んで痛かったよね。

そんな時は、お家のなかでも靴を履いていいんだよ。」

というわけで、次は靴の早履き練習です。

お友だちを押さない、無理に追い越さないことを約束して練習開始。

地震で物が散乱している想定なので、先生たちがブロックをばらまきます。

ケガをするかもしれないので、お尻を床につけずに履くこと。

履けた人から先生の前に一列に並んでいきます。

最後の子が履き終わると、ピョンピョン跳ねて大きく拍手。お互いの健闘を称えます。

 

最後は防災頭巾の早かぶり。

早くかぶらないと、水遊びで使っているヤシの木が、頭の上に落ちてきます。

そんな時、頭巾の名前を確認している暇はありません。

迅速にかぶることが大事です。

最初はグループに分かれ、人数分の防災頭巾を床に置いていましたが、

全員体験して2回目を行う時、先生たちが目配せし合いました。

そして人数分よりも少ない防災頭巾を床に置いたのです。

行き渡らなかった子たちは、ヤシの木が倒れてきちゃう!と大慌て。

そこで先生が、次の方法を教えます。

防災頭巾はいつでもどこでもあるわけじゃない。とにかく大事なのは頭を守ること。

リュックがあればリュックで、なにもなければ手で頭を覆うんだよ。

「こうやって守ればいいんだね?」

と、身体を縮めて頭を守る体勢をとる子がいました。

「そうだね。でも石垣のそばだと、崩れて落ちてくるかもしれないよ。」

「じゃあ、そこから離れてしゃがめば、崩れてきても大丈夫だよね!」

「そのとおり!」

正しい方法を導きだして先生にほめられ、ガッツポーズです。

 

まるでアトラクションのような防災教室、子どもたちは本当に楽しそうでした。

しっかり先生の話を聞き、自分の意見も伝える。

先生も、子どもの意見や反応を見て、次に話す内容や活動をアレンジしていきます。

先生と子どもたち相互のやりとりによって、

活動の質が高められ、さらに子どもたちが熱中していく。

まるで下から上へと渦を巻いて大きくなる、つむじ風のような時間でした。

どきどきの「どきん」2020年版

 

毎年恒例(?)、詩の暗記発表会です。

 

今年のお題も教科書から、谷川俊太郎さんの詩「どきん」です。

発表順を決めるため、先生が作ったくじを引きます。

どきんの「ど」を引いてしまい、トップバッター?いやだー!

と、椅子から崩れ落ち、後ろから先輩に励まされます。

 

ルールはひとつ。書き終わるまで後ろを振り返らないこと。

書き始めると、隣の教室からゾロゾロと1・2年生が見学にやってきました。

手の空いている先生たちも集まってきました。

教科書のこの詩を暗記して書いているんだって。

すごいなあと、教科書とホワイトボードの文字を見比べます。

そして、これはこういう詩なんだよ、と、ほかの子が、

手話に翻訳した「どきん」を1・2年生に披露します。

 

日本語が第二言語の子どもたちは、

「どきん」の手話翻訳動画を手立てに、日本語の詩を読み進めます。

ですので、人によっては日本語の詩の確認をする際に、

手話翻訳の「どきん」を表しながら確かめることもあります。

 

全文書き終わって確かめの時間に入ると、背後の子どもたちがザワザワし始めます。

あっちに移動したり、こっちに移動したりして、友だちの書いた詩を添削し、

「そこは「お」だよー!」

「それは消さなくても合ってるよ!」

と、思い思いに手話で応援します。

 

もちろんホワイトボードに向いている友だちに、

その手話は伝わらないのですが、応援に熱が入るあまり近づきすぎて、

先生に「こらこら、後ろに下がりなさい。」と、注意される場面もありました。

 

全部合っているのに自信がなく、書いては消してを繰り返し…。

みんながしびれを切らしたころ、ようやくくるりと振り返りました。

 

まずは、正解・不正解ではなく、何度も何度も確認したことを、先生がしっかりほめます。

結果は…ノーミス、暗記成功!

小テストでは、毎回どこか間違っていたので、喜びもひとしおでしょう。

かみしめるような表情が印象的でした。

 

時間が少なくなってきたので、仕切りを作って2人いっぺんに書きます。

先に終わった子はプレッシャーから解放され、

余裕の心持ちで、2人の詩を、教科書を見ずに添削しながら応援します。

昨年経験済みの先輩たちも、教科書片手に厳しい目で見つめます。

 

先に振り返った子は、先生のチェックが終わるまで、

いてもたってもいられず、神頼みを始めてしまいました。

焦らされながらの結果は、これまた暗記成功!

 

最後の友だちも成功すれば、全員ノーミスの記録達成です。

机に手をかけて確認する後ろ姿に、クラスメイトの熱い視線が注がれます。

最後の友だちが振り向きました。

先生ではなく、子どもたちでチェックしました。

果たして結果は?