楽しい防災教室
幼稚部さんの防災教室の様子です。
テーマは、「地震が起きたらどうなるの?その時どうしたらいいの?」
まずは、地震が起きたらどうなるの?
地震で家具が倒れて、床にものが散乱し、
電気もつかない真っ暗な部屋のなかを実際に移動して、
/地震/言う/(これが地震だ!)を体感してもらいます。
いつもと違う幼稚部の教室に、子どもたちは大興奮。
小さい子の手を握って暗い部屋を進むのは、ちょっとした冒険です。
「みんな、中はどうだった?いつもとおんなじだった?」と、先生が問いかけると、
「ちがった!床がでこぼこしてた!」「机が倒れてた!」「ブロックもいっぱい落ちてたよ!」
次から次へと子どもたちが答えます。
そこですかさず先生がたずねます。「みんな、お家におもちゃはある?」
「あるある!」「あるよ!」
「ねえ、そのおもちゃ…遊んだあとにちゃんとお片付けしてる?」
「してる!」「お片付けしてる!」と、多くの子が言うなか、
「…ううん、その辺に出しっぱなしにしてる…。」
嘘をつけず、正直に答える様子も微笑ましいです。
最近、お片づけが十分にできていないことが多かったので、
防災を学びつつ、日常生活を見直すことも先生たちの狙いです。
地震が起きたらどうなるの?を体感したあとは、
じゃあどうすればいいんだろう?を学びます。
「さっき、床に落ちていたものを踏んで痛かったよね。
そんな時は、お家のなかでも靴を履いていいんだよ。」
というわけで、次は靴の早履き練習です。
お友だちを押さない、無理に追い越さないことを約束して練習開始。
地震で物が散乱している想定なので、先生たちがブロックをばらまきます。
ケガをするかもしれないので、お尻を床につけずに履くこと。
履けた人から先生の前に一列に並んでいきます。
最後の子が履き終わると、ピョンピョン跳ねて大きく拍手。お互いの健闘を称えます。
最後は防災頭巾の早かぶり。
早くかぶらないと、水遊びで使っているヤシの木が、頭の上に落ちてきます。
そんな時、頭巾の名前を確認している暇はありません。
迅速にかぶることが大事です。
最初はグループに分かれ、人数分の防災頭巾を床に置いていましたが、
全員体験して2回目を行う時、先生たちが目配せし合いました。
そして人数分よりも少ない防災頭巾を床に置いたのです。
行き渡らなかった子たちは、ヤシの木が倒れてきちゃう!と大慌て。
そこで先生が、次の方法を教えます。
防災頭巾はいつでもどこでもあるわけじゃない。とにかく大事なのは頭を守ること。
リュックがあればリュックで、なにもなければ手で頭を覆うんだよ。
「こうやって守ればいいんだね?」
と、身体を縮めて頭を守る体勢をとる子がいました。
「そうだね。でも石垣のそばだと、崩れて落ちてくるかもしれないよ。」
「じゃあ、そこから離れてしゃがめば、崩れてきても大丈夫だよね!」
「そのとおり!」
正しい方法を導きだして先生にほめられ、ガッツポーズです。
まるでアトラクションのような防災教室、子どもたちは本当に楽しそうでした。
しっかり先生の話を聞き、自分の意見も伝える。
先生も、子どもの意見や反応を見て、次に話す内容や活動をアレンジしていきます。
先生と子どもたち相互のやりとりによって、
活動の質が高められ、さらに子どもたちが熱中していく。
まるで下から上へと渦を巻いて大きくなる、つむじ風のような時間でした。